
0次予防をご存じですか?
2024年から始まった第3次健康日本21の目標「自然に健康になれる環境づくり」に導入された新たな概念です。健康づくりの意識にとても大切な概念だと思うので、ご紹介します。
0次予防とは
0次予防とは1次予防(早期発見)の前段階の予防であり、自分が暮らしている環境で「自然と健康に」なることを目指した概念です。
それでは問題です。
Q1.公共交通機関が発達している都市部と、自然豊かな田舎ではどちらの方が1日の歩数が多いですか?
A1.都市部
車社会の田舎では、ちょっとした買い物も車で出かける傾向に。一方都市部では1駅歩いたり、買い物に徒歩で行ったり自転車を使ったり。別に運動しようという意識がなくても無意識のうちに活動量を稼げるという違いがあります。
Q2.スーパーに売っているお惣菜や市販の野菜ジュースなどの塩分は、増えている?減っている?
A2.減っている
塩分摂取による高血圧や腎臓病などの健康障害が課題となっています。特に日本人は塩分を多く摂取する傾向にあり、企業努力で使用する塩分を少なくしてきています。
このように、知らず知らず健康に向かっている状態のことを0次予防と言います。
私たちに出来る0次予防とは?
自然に健康になれるのであればそれはとても素晴らしいことですよね。
では、私たちは0次予防に関与できることはあるのでしょうか。企業や街づくりに携わる行政や企業の努力だけでしょうか。
私たちに出来ることは、まず自分の環境を「知る」ことです。
分かりやすいのは1日の歩数。皆さんの歩数はどの程度でしょうか。徒歩通勤の方はそれなりに歩数を稼げているかと思います。厚生労働省では、1日8千歩歩くことを推奨しています。日本人の平均歩数は男性6628歩、女性5659歩です。これが偏差値50の値ですね。
自分の歩数がわからないなという方、まずは知りましょう!スマホのアプリで測定してくれる機能がありますが、スマホを持ち歩いている時でないと測定できません。おすすめはスマートウォッチなど、朝から夜までの歩数を測定してくれるもの。
歩数を知ったら次は行動に移します。8千歩より少なければこれに近づく努力をします。
私は、都市部よりも田舎の方が歩数が多いと思っていました。でも、田舎住まいの方はがっかりしないでください。環境的に活動量が少な目なのであれば、増やせばいいのです。
人口密度の低い地域は、自然豊かで森林浴など楽しめる場所もあると思います。楽しく歩ける場所で歩数を稼げるといいと思います。
総菜を利用する頻度が高い方、企業が減塩の努力をしているとはいえ、自炊よりは塩分が多い。それを知っておけば、野菜を増やしたり、自炊できる日は自炊をするなど生活を変えていくことが出来ます。
このように、「知る」→「行動する」で行動を変えることが出来たら、健康度をグッと押し上げるチャンスとなります。自分の環境因子を適切に把握することで、それを補っていくことが出来ます。まずは「知る」ことから初めてみませんか?
ライフコースアプローチ
0次予防で環境の話をしましたが、「結婚しているか」、「仕事をしているか」、「幼少期にどんなものを食べていたか」、もっと遡って「産まれた時の体重はどのくらいだったか」。これらの「今までの歩み」という要素も今のあなたの健康を作る因子となっています。
例えば、幼少期に甘いものをたくさん食べていた人は大人になっても甘いものが好きだったり、低出生体重児(2500g未満)で生まれた人はメタボのリスクが高かったり、ということがあります。今まで生きてきた軌跡が今の健康を作っているという考えです。これをライフコースアプローチと言います。
これも、知ることが大切だと思います。
20歳の時点で痩せていた人は、40歳以降のメタボのリスクが高いです。ある研究では、若いころに痩せていた人は中年太りしやすく、内臓脂肪がたまりやすいことが分かりました。
その理由は、脂肪細胞の数にあると考えられています。
脂肪細胞の数は、胎児期・乳児期・思春期に集中して増えるといわれています。
若いころに痩せていた人は脂肪細胞の総数が少ないため、中年太りで増えた脂肪を皮下脂肪として蓄えることができず、内臓の周りに蓄積してしまうのです。ちょっと嫌な情報かもしれませんが、知っておくとより意識して気を付けることが出来るのです。
ぜひ今までの人生を振り返り、メタボのリスクについても改めて評価していただけると嬉しいです。
まとめ
0次予防についていかがでしたか?0次予防と特定保健指導は似ているところがあると思います。
特定保健指導の対象者は基本的に病気ではありません。早期発見の前段階「病気になるリスクが高いので気を付けてね」という指導です。これ、とても大切だと思っています。病気が見つかる前にそのリスクを教えてもらえるのですから。
ですから、対象に選ばれてしまっても落ち込まないで、予防できるんだと気軽な気持ちで受けてほしいのです。






















