タバコを卒業する~実践編~

禁煙補助剤

医薬品を用いた禁煙治療には、主に3種類あります。ニコチンパッチ、ニコチンガム、バレニクリンの3つです。

方法成功率
ニコチンパッチ10~20%
ニコチンガム10~20%
バレニクリン60~70%

※2021年から国内で出荷停止となっていた禁煙補助薬バレニクリン(商品名:チャンピックス)ですが、製造方法の見直しなど安全性への対応が行われた上で、2025年10月30日より国内供給が再開されました。 

医療機関や文献によって多少差があるのですが、おおむねこのような成功率でした。

バレニクリンの成功率が高いのは、薬の効果はもちろんあると思いますが、バレニクリンだけは医療機関を受診しないともらえない薬なので、医師や看護師からの指導が入ることも一因かもしれません。

ニコチンパッチやニコチンガムはや薬剤師さんがいる薬局で購入可能ですが、禁煙外来だと条件が合えば保険適応になるので安く治療ができます。病院が嫌い、待つのが嫌という方には適さないかもしれないのですが…。

バレニクリンは眠気が出ることがあるので、タクシーの運転手さんなど運転を生業とする方は処方してもらえないことが多いようです。代わりにパッチやガムの選択となります。

私は禁煙はニコチン依存があるためとても大変なこと、自分の意志だけでは難しいことだと思っているので、味方をたくさん作るといいと思っています。

特定保健指導員、禁煙外来の医師や看護師、パッチやガム、バレニクリン、家族や友人など周囲の人たち。何にも頼らず禁煙されるかたももちろんいらっしゃいますが、可能であればなるべく多くの見方をつけて、禁煙に向かっていきましょう!

禁煙外来

禁煙治療は、初回診察に加えて、初回診察から2週間後、4週間後、8週間後、12週間後の計4回の再診で構成されており、医師による問診や呼気中一酸化炭素濃度測定、禁煙補助薬の処方等のサポートを受け、医療的観点から禁煙に取り組みます。

保険適応の条件

  1. ニコチン依存症スクリーニングテストで5点以上
  2. 1日の平均喫煙本数×これまでの喫煙年数=200以上(35歳未満の場合は要件から除外)
  3. 直ちに禁煙を始めたいと思っている
  4. 禁煙治療を受けることに文書で同意している

※過去に健康保険等で禁煙治療を受けたことのある方の場合、前回の治療の初回診察日から1年経過している必要があります。

ニコチン依存症スクリーニングテスト

以下の各設問に対し「はい」の回答一つにつき、1点を加算します。合計点が5点以上でニコチン依存症と判定されます。

注:最終的なニコチン依存症の診断は医師が行います。健康保険等の適用が可能かどうかは別途確認してください。

Q1自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。
Q2禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。
Q3禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。
Q4禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。イライラ・眠気・神経質・胃のむかつき・落ち着かない・脈が遅い・集中しにくい・手のふるえ・ゆううつ・食欲または体重増加・頭痛
Q5上の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。
Q6重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。
Q7タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。
Q8タバコのために自分に精神的問題(※)が起きていると分かっていても、吸うことがありましたか。
Q9自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。
Q10タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。

※禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。

禁煙外来の数は年々増えている傾向にあります。条件が合えば保険適応で治療ができますし、治療方法の相談、禁煙の応援もしてくれますのでお勧めです。

もし興味があればお近くの禁煙外来を調べてみてくださいね。

禁煙を後押ししてくれるアイテム

禁煙補助剤は物理的な応援アイテムですが、気持ちの面を応援してくれるアイテムもあります。

  • YouTubeでも禁煙動画:医師が解説している動画もあり、わかりやすくタバコの害や禁煙のメリットについて教えてくれます。
  • 禁煙本(代表的なのは禁煙セラピー):禁煙セラピーは世界で一番売れている禁煙本で周囲でも人気の高い本です。漫画にもなっており分かりやすく禁煙への気持ちを作ってくれます。https://amzn.to/3Xdt3mZ

その他、禁煙された方にきっかけを聞くと

  • 新車にタバコの匂いがつくのが嫌だった
  • マラソンでよいタイムを出したかった
  • 骨折した際入院中に吸えなかったため

などなど、突然禁煙を考えるきっかけが舞い込むことがあります。そんなこともチャンスに変えられたら素晴らしいことですよね!

禁煙セラピーの作者アレン・カーは言います(彼は医者ですが1日100本吸うヘビースモーカーだったようです)。

「私がタバコをやめて一番良かったと思うのは、タバコに翻弄されない人生を手に入れられたこと。奴隷のような生活から解放され、自分の人生そのものを楽しめる自由は、何物にも代えがたい喜びです」

ぜひあなたも、禁煙について考え、自分に合いそうな後押ししてくれるアイテムを手に取ってみてください。タバコがなくても問題のない人生をきっと再構築できますよ!

投稿者: wakako

こんにちは。保健師のwakakoです。保健所勤務や特定保健指導の経験を活かし、メタボ対策や自律神経の整え方について書いています。

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