運動で消費する

推奨運動量

皆さんは日々どの程度運動していますか?

痩せる痩せないに関係なく、厚生労働省から「健康づくりのための身体活動・運動」が以下のように提示されています。

このように、身体活動と運動を分けて考えています。

成人に対しては、1日に8千歩以上歩いており、なおかつ週60分以上の運動、週2~3日の筋トレを推奨しています。

身体活動や運動は、かなり個人差がある印象があります。

例えば肉体労働で1日2万歩以上歩く+運動も好きで週末に走っているなどという方がいる一方で、事務職で1日2千歩、運動もしないよ、という方も。

事務職、運動なしという方がいきなり激しい運動をするとケガなどの不調に繋がりかねないので、座りっぱなしの時間を少しでも減らすことから始めるといいですね(こまめにトイレに行く、用事はなくても30分に1回立ってみるなどなど)。

1日に8千歩以上⇒週60分以上の運動⇒週2~3日の筋トレと、段階的に増やし、推奨レベルをクリア出来たらはなまるです!

運動の消費カロリー                           

ウォーキング20分であなたの体重分程度のカロリー消費になります。

例えば80kgの方が20分歩くと80kcal、40分歩くと160kcal。

240kcalを消費するためには1時間歩く必要があります。ですから、多忙な方は運動だけで240calを消費するのはなかなか大変だと思います。食事などと合わせ技で消費していきましょう。

それでも、運動は痩せる以外にもたくさんの効果があり、健康を維持するために欠かせないものですので、やはり毎日意識的に少しでも生活に取り込んでほしいのです。

【運動の効果】

     ※出典 津市ホームページ

身体活動レベルが低く運動もされない方は、なんとなく元気や活力がない方が多いのです。

厚生労働省は1日10分運動の時間をプラスさせる「+10」を推奨しています。10分歩くと1000歩。「塵も積もれば山となる」の精神で、まずは10分運動の時間を作ってみましょう!血圧の安定、減量、筋力や体力アップなど、続けていくことで良い効果を感じられる日が来るはずです!

間食量で調整する

間食が大好きでたくさん食べてしまう、そんな方は1日240kcal減らすのは案外簡単かもしれません。というのも、間食は高カロリーなものが多いからです。

間食の目安は1日200cal、糖質は10g以内です。

お菓子のカロリー

表1 お菓子とカロリー(高カロリー編)

チョコレートケーキ500kcal(一切れ)
メロンパン370kcal
バニラアイスクリーム(カップ)240kcal
カスタードプリン185kcal
板チョコレート1枚280kcal
ポテトチップス335kcal

ほんの一部の紹介ですが、少量でかなりのカロリーを摂取することになってしまいますね。200kcalを守れていればいいのですが、なかなか難しいですよね。

いきなり間食を全く食べないようにするのは難しいと思いますので、量を減らしたり低カロリーなものに変えていきましょう!

表2 お菓子とカロリー(低カロリー編)

コーヒーゼリー100g+生クリーム5ml65kcal
ヨーグルト90~110kcal
氷菓(ガ〇ガ〇君など)110kcal
クラッカー5枚135kcal
バナナ1本86kcal

「こういうのは好みじゃない、しっかりと甘いものを食べたい!」という方、食事を1食抜いたり、早食いや野菜不足などと血糖値の乱高下が起こりやすい食べ方をしていませんか?思い当たる方は、前にある「生活リズムを整えよう」や「食事リズムを整えよう」の記事に立ち返ってみてください。

「でもやっぱりケーキが食べたいよなぁ」という方。大丈夫です!人の舌にある味を感じる器官である「味蕾」は約10日~2週間の周期で新しい細胞に生まれ変わり、食べ物や飲み物の嗜好や味の感じ方を変化させることができるのです。味覚にも慣れが関連するのです。お菓子を2週間ヨーグルトにすると、チョコレートケーキがとても甘く感じるようになります。ですから、まず2週間頑張ってみましょう!

減量にはガムもお勧めのアイテムです。噛んでいるうちに満足感が出てきますし、キシリトール入りのガムであれば虫歯予防にもなり、一石二鳥!

甘い飲み物のカロリー

表 加糖飲料のカロリー(500ml)

コーラ225kcal
サイダー210kcal
スポーツドリンク125kcal
果汁100%ジュース240kcal
カフェラテ170kcal

飲み物はごくごく飲めてしまい、特に夏なんかはあっという間に500ml飲めてしまいますよね。しかし、表のように市販の甘い飲み物はどれもしっかりとカロリーがあります。

液体の糖は、固形物に比べて吸収が速いため、血糖値を急激に上昇させ糖尿病のリスクや、内臓脂肪が蓄積しメタボになるリスクが増えてしまいます。肝臓にもダメージを与えてしまうため、脂肪肝の主要な原因の一つでもあります。

夏は水分補給のためにスポーツドリンクを飲む方も多いかもしれません。しかし、スポーツドリンクにもとてもたくさんの糖が入っており、飲んだ後血糖値が下がるタイミングでまた甘い飲み物を飲みたくなるという悪循環がおこります。これにより血糖値が上がったり、メタボに近づいてしまったり。

お菓子より、甘い飲み物のほうが健康へのリスクが大きいと考えています。メタボ、メタボ予備軍の方にはなるべく市販の甘い飲み物は飲まないようお願いします。水やお茶は0キロカロリーですので、甘い飲み物から変更できると大きな変化になりますよね。

私もお菓子は大好きですが、誕生日など特別な日以外は1日200kcalを守るようにしています。小学生の子どもたちも最近は栄養成分表示を確認し、200kcal以内となるようにお菓子を選んでいます。

お菓子や甘いの飲み物に課題がある方、ぜひ少しずつでも減らしていきましょう!

飲酒量で調整する

前回の記事で1日にエネルギーを240kacl減らせるようにとお伝えしました。では、何をして減らしましょうか。

身体が栄養として欲していないものから減らすのが健康的に痩せるコツ。

お酒が多い方はお酒から。間食が多い方は間食から。お酒も間食もないけれど、3食の食事量が多いという方は食事を、といった具合です。あなたの生活を振り返って、考えてみてください。

飲酒での減量

まずは優先度の高い飲酒について記載します。

飲酒の行動目標を考える際、純アルコール量とカロリーの両方の観点で考えなければいけません。

適量でおいしく楽しく飲んでいる方は、よい飲み方だと思います。

しかし、適量を大きく超えて飲んでいる方ってかなり多くいらっしゃいます。特に年配の方なんかは、昭和の飲み方に引っ張られている気がします。

適量とは、純アルコール量20g(女性は10g)に当たります。

表. アルコールの種類別適量(男性)

酒類適量の目安カロリー
ビール中びん1本(500ml)約200kcal
日本酒1合(180ml)約200kcal
焼酎0.5合(100ml)約145kcal
ウイスキーダブル1杯(60ml)約150kcal
ワイン200ml約150kcal

あなたは適量を守って飲むことができていますか?女性の適量は残念ながらこの半量なのでかなり少ないですよね。女性は男性と比較して分解できるアルコールの量が少ないためです。お酒が好きな女性で適量を守れている方はあまりいない印象です。ビール350mlも飲めませんもんね。

ウイスキーなんかはアルコール度数がバカ高いので、適量はほんの少しの量になってしまいます。

適量適量とうるさく書きますが、アルコールって以下のように本当に様々な健康障害を引き起こしてしまうのです。

   ※出典 文京区ホームページ

「酒は百薬の長」なんて今は昔。アルコールというと肝障害のイメージが強いかもしれませんが、脳が萎縮して認知症のリスクが増えたり、肝臓以外の様々ながんのリスクが増えたり。

またアルコールの失敗でキャリアを台無しにする方も多いですよね。芸能人のニュースでもよく耳にします。

ですから、ぜひ適量を守ってほしいのです!

特に、飲酒で顔が赤くなるタイプの方はそもそもアルコール分解能力が低いので、より適量を目指す意義があります。

  • 適量を少し超えている方:適量を目指す。
  • 適量の2倍を優に超えている方:少しずつでもいいので、少しでも減らす努力をする。

これで毎日240kcalを減らせるのであれば、減量目標もクリアです。

どのように減酒する?

お酒が好きで好きで、お酒を制限されたら生きる楽しみがなくなってしまう!という方も多いですよね。(私は下戸なのでお酒の楽しみがわからない人間なのでその楽しさを共感できず、すみません…。)

それでも、健康を害してしまうと困ることになってしまいます。アルコールには依存性があり、飲酒のコントロールができない状態になるとアルコール依存症となってしまいます。また、多量飲酒により肝硬変などの病気になってしまうことも。こうなると、ドクターストップがかかってしまい、お酒を一滴も飲めない状態になってしまうリスクもあります。

そうなるよりは、長く楽しく大好きなお酒を楽しめた方がいいと思いませんか?

減酒にお勧めのアイテムがいくつかあります。

  • 低アルコールのお酒:ビールと言ったら度数5%のイメージが強いですが、度数3.5%のものなど、度数が低いものの種類が豊富になっています。度数3%のチューハイやワインも発売されています。度数が低い方が純アルコール量の摂取が低くなりますので、ぜひ色々と試してみてください。
  • 微アルコール・ノンアルコールのお酒:微アル、ノンアルも種類が豊富になっていますよね。法的には微アルコールもノンアルコールもお酒には分類されないのですが、アルコールが含まれていても度数1%未満は微アルコール、度数0.5%未満はノンアルコールに分類されます。アルコールが全く含まれていないのではないので注意してくださいね!カロリーは通常のお酒より低いことが多く、純アルコール量も低いのですが、人工甘味料が含まれていることが多いので気になる方は注意が必要です。
  • 炭酸水:炭酸水はアルコールも糖質も含まれていないので、安心してお勧めできる商品です。「シュワシュワ感があれば意外とお酒じゃなくても大丈夫」という方も意外と多いので、そういった方に特におすすめです。お酒が好きな方って、「ノンアルは口に合わないから嫌だけど、炭酸水なら大丈夫」という方が多い印象があります。なので減酒のアイテムとしてぜひ用意しておいてください。
  • プッシュ式のディスペンサー(お酒の量を測る道具):これはどうやらビンに合わせる形状なのでワインやウイスキー向きなようですが、10ml、20mlと出てくる量の設定が出来るので、飲む量を把握しやすくなり、減酒に一役買うアイテムかと思います。

https://amzn.to/47M5wOw

お酒を減らすのって最初は「難しい」と思われるかもしれません。ですが、やってみると睡眠の質が良くなったり、血圧が改善したり、次の日の仕事のパフォーマンスが上がったり、などとよい変化を感じやすくなります。

減酒もしくは禁酒された方たち、「意外となければ大丈夫なものでした」とおっしゃます。だからあなたも大丈夫!

少しずつでいいので、減酒にチャレンジしてみませんか?

次回は間食について記載します!

減量計画を立てよう

1日のエネルギーの目安量を計算しよう

まずは下の表を使って今摂っているエネルギーと、目標体重にするためのエネルギーを計算してみましょう!

表 1日のエネルギー量計算表

①と②のエネルギーの差はどのくらいでしたか?

①で計算したカロリーを摂取しているからこその今の体重なのです。(あまり食べていないのにな、という方は、もしかすると栄養バランスが崩れているかもしれないので、「栄養バランスを整えよう」の記事をご参照ください。)

どのくらい減量すればいいの?

では、1日にどのくらいカロリーを減らせばいいのでしょうか。

理想と現実が600kcalなどど、大きくかけ離れていた方も多いかと思います。そんな方は、いきなり600kcal減らすのは無理ですよね。

ところで、皆さんが目標体重としている数値の根拠は何ですか?

保健師としてのまず目指す体重は、「健康診断から4%減」。4%落とすと、検査値によい変化が現れやすいと言われています。
体重100kgの方なら4kg。体重80kgの方なら、3.2kgという具合です。

減量ペースは?

停滞期を防ぐためにも緩やかに落とすことが大切と言われますが、緩やか過ぎて効果が見えにくいのも、モチベーションダウンに繋がりかねません。

おすすめは月1kgくらいです。健康にも、モチベーションアップにも繋がりちょうどよいのではないかと考えます。

「汗をかけば1kgくらい簡単に落ちるよ」「水を飲むとすぐ太るよ」という方、そうではありません!この1kgは内臓脂肪を1kg落としましょうということです!1日、2日の変化はたぶん水分量の変化です。

月1kg落とすために減らさなければいけないエネルギーは1日240kcalです。

これをコツコツ続けると、一カ月で7200kcal減となり、1kg体重が減ります。1kg分の内臓脂肪が減るということです。これ、すごいことですよね!

さらにコツコツ続けると、2カ月で2kg、3カ月で3kgという具合に体重が落ちていきます。(厳密に言うと体重が減ってくることで少しずつ減量のペースは落ちていきます。減らしたエネルギーと体重が釣り合ってくると思えば当然ですよね。まあ最初の半年くらいは良いペースで落ちてくれます。)

このように頑張っていくことで、必ず成果はついてきます!

では、あなたはどのようにエネルギーを落としますか?

食事?間食?お酒?それとも運動?

次からは、行動編に移ります。

栄養バランスを整えよう

とっても大事な栄養バランス。

全然食べてないのに痩せないという方、もしかすると栄養バランスが偏っているかもしれません。野菜が不足すると主食や主菜(おかず)が増えてしまいがちです。タンパク質やカルシウムが不足すると基礎代謝が落ち、痩せにくい身体になってしまいます。

1日2食がカップ麺だったり、食事をおやつで代用したりという方も結構いらっしゃいます。

でも、理想的な栄養バランスに近づけるために毎食毎食しっかりと栄養計算、なんてできないですよね。

ざっくりと、なんとなくバランスが整っていればいいんです

主菜(メインとなるおかず)と副菜(主に野菜やきのこ、海藻)の  バランス

目安の把握にお勧めなのは、千葉県が推奨しているグーパー食生活。

    出典:千葉県グー・パー食生活ガイドブック概要版

主食(主に白米やパン、麺類)の量

白米の適量は、ご自分の身長=gを目安にするとわかりやすいかと思います。

例えば

身長
150cm150g
160cm160g
170cm170g

150gの白米というと、普通サイズのお茶碗に普通盛り程度の量です。

コンビニのおにぎりが1つ100g~130gなので、一食で2つ食べると食べ過ぎになってしまうわけです。

多くの方が、「思ったよりも重かった」とおっしゃります。重さを測ったことがない方は、ぜひ測ってみてくださいね!

パンの場合

1食の目安は60g。6枚切りの食パン1枚程度です。

麺類の場合

  • うどん(乾麺)100g
  • うどん(生めん)120g
  • 乾燥パスタ 100g
  • そば(乾麺)100g

乾麺だと大体一くくりになっているので分かりやすいですね。それが大体100g。ゆでるとかさが増し約250g程度に増えます。

主食は白米、麺類、パンが多いと思いますが、健康のことを考えると、おすすめはやはり白米です。

以上の理由から、健康のためには白米を多めに食べるとよいでしょう。(そんなに頻繁でなければ麺類もパンもよいですよ。ざるそばなんかはダイエット向きですし。詳細は検査値と相談しながら決めていきましょう。)

細かいことは言いません。適量の主食、グーくらいの主菜、パーくらいの副菜があればはなまるです。

次回からは減量計画について書いていきます。

生活リズムを整えよう

メタボ卒業に向け、まず大切なことは、「内臓脂肪を燃えやすい状態にするために身体を整えること」です。

急激に10kg痩せたとしても、検査値に改善が見られなければ、健康に近づいているとは言えないですよね。食事や運動に取り組む前に、まずは痩せるための生活リズムについて確認し、必要に応じて見直していきましょう!

ステップ1 朝ご飯を食べよう

①朝食には、体温を上昇させ、脳や身体を目覚めさせる効果があります⇒代謝をアップさせてくれます。

②朝食を食べないと、昼食で血糖値が爆上がり(血糖値スパイク)し、血管に負担をかけますし、ここで糖が脂肪になりやすく、内臓脂肪が蓄積しやすくなります。

③朝食を食べないと脳の栄養源であるブドウ糖が不足します。脳に栄養を送るために、筋肉からのアミノ酸、筋肉や赤血球からの乳酸、脂肪組織からのグリセロールなどを原料とし、ブドウ糖を作り(糖新生)、この結果、筋肉が減り代謝が落ちます。

このような理由から、朝食を食べないと太ってしまうのです。

実際に、朝食を欠食する方は血糖値が高い方がとても多いです。痩せている方でも同様です。

朝食を食べていない方、小さいおにぎり一個からでもいいので食べましょう。睡眠の質改善にも繋がりますよ!

ちなみに、代謝を上げる組み合わせは、炭水化物とタンパク質。

例えば、

  • 白米+鮭
  • 白米+納豆
  • パン+卵  等々☆

無理な食べられるものから始めましょう。

朝お腹が空かないよという方は、夕食量が多いか、睡眠が短い(質が悪い)かもしれません。思い当たる方は見直していきましょう!

ステップ2 食事と食事の間隔を 8時間以上空けない

昼食を12時半に食べ終えるとすると、夕食を20時30分には食べてね、ということです。

理由は、昼食と夕食の時間が空きすぎると血糖値スパイクが起こったり、糖新生が起こったりするという、朝食を食べるのが大切な理由と同じです。

しかし、実際は夕食をいつも22時、23時、時には日をまたいでしまう方もいらっしゃいます。皆さんお忙しいですよね…。

こんな方にお勧めなのは「補食」。昼食から8時間を超えないくらいの時間に、一度軽く食事を摂ることです。これを補食と言います。

補食にお勧めな食品は

  • おにぎり
  • バナナ
  • ヨーグルト
  • 栄養補助食品(ゼリー飲料、プロテインバーなど)
  • 野菜ジュース(食塩、糖無添加のもの)

食べられればしっかりと夕食を摂ってもらっていいのですが、なかなか難しいですよね。栄養補助食品なんかは日持ちがするのでデスクに忍ばせておくのはいかがでしょうか。

そして、補食を摂ったら夕食をその分抜きましょう。時間が遅くなればなるほどなるべくなるべく量を減らしたほうがいいです。

脂肪の合成を進める「BMAL1(ビーマルワン)」というたんぱく質は、夜10時ごろから2時ごろにかけて分泌量が昼間の20倍に増えます。ですから、この時間帯の食事は同じものを食べたとしても昼間より脂肪として蓄積されやすいのです。

逆流性食道炎や睡眠の質低下に繋がりやすいので、できるだけ寝る3時間前までに夕食を済ませましょう。

ステップ3 よく噛んで食べよう

早食い傾向にありませんか?時間がないから5分くらいで食べているよという方もしばしばいらっしゃいます。多忙な方ほど早食いになりやすいですよね。

よく噛んで食べることは、食事の満腹感が得られやすく、血糖値の上昇を穏やかにし、肥満予防につながります。また、よく噛むことで、食欲が抑えられたり、ゆっくり味わうことで、うす味・適量で満足感が得られます。厚生労働省の検討会では、一口30回噛む習慣を奨める「噛ミング30(カミングサンマル)」運動を提唱しています。

よく噛まないと消化不良となり、胃腸に負担がかかってしまったり、逆流症状が出やすかったりもしますので、できる限りよく噛んで食べることを心がけてくださいね。

ステップ4 睡眠時間を確保しよう

睡眠と代謝の関係は非常に密接です。 良質な睡眠を確保することで、基礎代謝を高めるホルモンが分泌され、代謝が改善されます。以下のポイントが重要です。

理想的な睡眠時間は7~8時間です。

しかし、みなさんお忙しいですよね。面談をしていても、このくらいの睡眠時間を確保できている方は稀です。そういう方こそ睡眠の質が大切!以下のような方法でなるべく質の良い睡眠を確保しましょう。

  • 就床の2時間前までには夕食を済ませる。
  • アルコールは適量まで、就床の2時間前までに済ませる。
  • カフェインを含む飲み物は夕方以降控える。
  • 就床の2時間くらい前に、38℃程度のぬるめの湯に浸かる。
  • 日中に適度な運動を行う。
  • 寝る前にタブレットやスマホを見ない。
  • 起きてすぐに日光を浴びる。
  • 朝ご飯を食べる。

朝の行動も夜の睡眠の質に繋がりますよ!

次は栄養バランスの話になります。

メタボと特定保健指導

 

 

2025.10.14

保健師wakakoです。

今話題のメタボリックシンドローム。健康診断の結果、「メタボリックシンドローム」「メタボリックシンドローム予備軍」もしくは「特定保健指導の対象者」になった方、ぜひ読んでみてください。

余談ですが、私は特定保健指導が大好きです。指導と付きますが、指導しているつもりはありません(笑)。お話している中で、ご自分で気づき、ご自分で行動を起こしていく。そして健康診断の結果が良くなったと喜ばれている様子を見ると、本当にうれしい気持ちになります。メタボの方は明るくて朗らかな方が多く、人としての強さがあると思います。少しの気づきで大きく行動が変わる方がたくさんいらっしゃいます。

対策のポイントを押さえ、幸せな気持ちでメタボを卒業出来るよう、応援します!

メタボ該当者数

特定健康診断の結果、特定保健指導の対象となると所属する健康保険組合や健診医療機関からお声かけがあります。40歳になったとたんに該当となった方、久しぶりに指導を受けている方、メタボに該当する方はたくさんいらっしゃいます。
厚生労働省によると、40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドローム該当者、または予備軍と考えられ、該当者数960万人、予備軍者数約980万人、併せて約1940万人と推定されています。

指導の対象となると、「特に大きな問題はなかったのに、なんで指導を受けなければいけないの?」「自分は健康なのに…、忙しいし面倒だな。」などと感じてしまいますよね。

まずはメタボの診断基準から見ていきましょう。

表. メタボリックシンドロームの診断基準

必須項目(内臓脂肪蓄積)
ウエスト周囲径
男性 ≥ 85cm
女性 ≥ 90cm
内臓脂肪面積 男女ともに≥100cm2に相当
選択項目
3項目のうち
2項目以上
1.高トリグリセライド血症
かつ/または
低HDLコレステロール血症
≥ 150mg/dL

< 40mg/dL
2.収縮期(最大)血圧
かつ/または
拡張期(最小)血圧
≥ 130mmHg

≥ 85mmHg
3.空腹時高血糖≥ 110mg/dL

            ※出典 厚生労働省ホームページ


女性は冷えから身体を守るため皮下脂肪も多く、その分男性より腹囲の基準が緩く設定されています。
実際、男性の方がメタボになりやすいのです。メタボに該当する方は、男性が女性の約3倍です。

特定保健指導とは

特定保健指導のお声かけがあった方、支援のランクはいかがでしたか?
メタボと特定保健指導対象者の基準は微妙に違っています。

        ※出典 一般社団法人 日本保健指導協会

考え方として、

メタボ該当者 ⇒ 積極的支援
メタボ予備軍 ⇒ 動機づけ支援


おおむねこのような割り振りなのですが、血糖値の基準が特定保健指導100mg/dl以上に対して特定健診では110mg/dl以上だったり、喫煙者は予備軍該当であっても積極的支援となったりと、特定保健指導のほうが厳しい基準となっています。ですから、メタボやメタボ予備軍でないのに特定保健指導の対象となることがあります。リスクを大きく取り早め早めに予防しましょう、ということなのだと思います。

ちなみに厚生労働省は特定保健指導について、
「生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く 期待できる方に対して、専門スタッフ(保健師、管理栄養士など)が生活習慣を見直すサポートをします」としています。

特定保健指導は「予防効果が高いと期待できる方に対して」行う支援なのです。


そして、積極的支援の方の方が動機づけ支援の方よりリスクが高いと捉え、より密な支援をしていきます。
支援方法は所属する健康保険組合の種類により多少違いがありますので、興味のある方は健康保険組合にご確認ください。

なぜメタボ対策が大切なのか

メタボはただ太っているだけではなく、内臓脂肪が多く、血圧、血糖、脂質が異常値になっており動脈硬化のリスクがある状態です。
日本人の死因の第2位は心臓病、第4位は脳卒中です。この2つの病気は、いずれも動脈硬化が原因となって起こることが多いです。
動脈硬化を起こしやすくする要因に、高血圧、脂質異常症、糖尿病などがありますが、この3つを引き起こしやすくするのが内臓脂肪です。


《内臓脂肪とホルモンの関係図》



このように、内臓脂肪が溜まっていくと悪玉の生理活性化物質が放出され、様々な検査値に影響を与えます。
代表的な影響先として、血圧、脂質、血糖値があるため、メタボの基準はこの3つの数値が関わっているのです。メタボの基準値は、内臓脂肪が100㎠を超えているかを予測しています。

イメージで言うと……
【高血圧】血管がパンパンのホースのように、血管の壁に負担をかけます
【脂質異常】血液が水より油に近づくイメージで、ドロドロした状態になります
【高血糖】血液がドロドロしたり、活性酸素が発生したりします。
⇒⇒これらにより、血管の壁や臓器にダメージを与えてしまいます。。

動脈硬化を進行させてしまう要素はこの3つだけではありません。
肝機能、尿酸値、LDLコレステロール‥。
メタボと言われ、これらの数値もあまりよろしくない方、さらにリスクが高いのです。
そして、タバコもメタボを進行させてしまう重大なリスク因子です。

これらの影響により高血圧、脂質異常症、糖尿病などの疾患に繋がってしまったり、血管が固くなってしまったりし、その先に心臓病や脳卒中などのリスクがあります。

少しの数値の乱れが川に流されていくようにどんどんとリスクが進んでしまうのがメタボの恐ろしいところです。

内臓脂肪を落とすメリット

「なんだか最近お腹が出てきたなー。」が命に係わる重大な病気を引き起こしかねないこと、お分かりいただけましたか?でも大丈夫!逆に言えば、内臓脂肪を落とせば色々な病気を回避できるということなのです!

循環器疾患の予防だけではありません。内臓脂肪を落とすメリットは他にもたくさんあります。
認知症、腰やひざなどの整形外科的な疾患、睡眠時無呼吸症候群、女性は月経不順、不妊、子宮体がんなど婦人科系疾患。
これらの防止にもつながります。

「でも、将来のことでしょ。今は健康だからいいじゃない。」と思う方。決して未来の話ではありません。


先ほどの《内臓脂肪とホルモンの関係図》の右上、コルチゾールに注目してください。コルチゾールとは一般的に「ストレスホルモン」と呼ばれるホルモンです。私たちに必要なホルモンではあるのですが、内臓脂肪が蓄積しコルチゾールが増えすぎると、ストレスに上手く対応することが難しくなってしまいます。結果、食欲を抑えられず暴飲暴食してしまったり、不眠や記憶力の低下、免疫力の低下などに繋がる恐れがあります。将来の健康だけでなく、今現在も内臓脂肪の呪縛に囚われているわけです。
内臓脂肪を落とすことで、食欲のコントロールがしやすくなり、食事制限他、様々なストレスが軽減されると思うと、それはとても素晴らしいことだと思いませんか?

先述のとおりメタボの方は非メタボの方より食欲のコントロールが難しいです。身体も重たいので運動するのが億劫かもしれません。ですが、


関心を持ってこのブログを見てくださった皆さんなら、必ず内臓脂肪を減らし、メタボを卒業できます

今後実践編も書いていきますので、できることから行動に移していきましょう!  

特定保健指導を受けるメリット

特定保健指導は、保健師や管理栄養士などの専門家がお一人お一人の状況に合わせて支援していきます。

金銭的な話をすると、特定保健指導の利用費用(積極的支援 約37,000円・動機付け支援 約13,000円)は加入している保険の保険者が支払いますので、対象者の負担はありません。皆さんの健康にはこれだけの金額をかける価値があるということです。

「こんな支援がなくても自分で何とかできるよ」というお声もいただきます。もちろん支援は強制ではありません。お声かけがあったら、職場の担当者と受けるか受けないかよく話し合ってください。特定保健指導員は、健康の専門家として対象者のデータからリスクの強弱を見極め、対象者にあった支援を提供できるよう努力しています。せっかく無料で受けられますし、一度だけでも話を聞いてみようかなと気軽な気持ちで受けてみてくださいね。