早食いをやめるには?

「なかなか早食いを治せない」という悩みをよく聞きます。早食いも1つの習慣です。習慣を変えるのはなかなか大変なことだと思いますが、工夫をすることで少しずつでも早食いを抑え、ゆっくりとよく噛むことで食べることで食事を楽しんでほしいと思います。今回は早食い防止に役立つ情報をご紹介いたします。

推奨される食べ方

1口30回噛んで食べること。

※ただし元々柔らかい食品はそこまで噛む必要はありません。スムーズに飲み込めるくらい柔らかくなるまで噛むことが大切です。

よく噛んで食べるメリット

日本咀嚼学会が提唱している噛む回数を増やす標語「ひみこのはがいーぜ」。これは、噛む事の効用を咀嚼回数の多かった弥生時代の卑弥呼にかけて表したものです。
邪馬台国の女王、卑弥呼の時代の食事は玄米のおこわや乾燥した木の実などと固くて噛み応えのあるもので、当時の噛む回数は1食で約4000回、現代人の約6倍と言われています。

ひ:肥満防止
よく噛むと満腹中枢が刺激され食べ過ぎ防止になります。
み:味覚の発達
食べ物本来の美味しさを感じる事ができ、味覚が発達します。
こ:言葉の発達
噛む事で顔の筋肉が発達すると言葉を正しく発音出来るようになり、顔の表情も豊かになります。
の:脳の発達
噛む事でこめかみ付近がよく動き、脳への血流が良くなり、脳の活性化に役立ちます。一回噛むことで脳に3mlの血流が流れると言います。これは魚の形の醤油さし1つ分程度。スポーツ選手なども、集中するためにガムを噛むことがあるようですね。
は:歯の病気を予防
噛むことで歯の表面が磨かれ、唾液の分泌が良くなり、虫歯や歯周病の予防に繋がります。
が:ガンの予防
唾液の成分であるペルオキシダーゼには、食品中の発がん性を抑える働きがあるとされています。
い:胃腸の働きを促進
食品を噛み砕いてから飲み込む事で、胃腸への負担が軽くなり、胃腸の働きを正常に保ってくれます。
ぜ:全身の体力向上
噛み締める力を育てる事により、全身に力が入り、体力や運動神経の向上、集中力を養う事に繋がります。

噛むことのメリットはとてもたくさんありますね。実際に、食べる速さがゆっくりであるほどBMIが低い傾向にあります。また、早食いにより消化不良となってしまい逆流性食道炎のリスクが増えるというデータもあります。また、噛むことでの小顔効果など、美容にもよい効果がありますね!

よく噛むための工夫

1.細い箸を使う

一度につまめる量が少なくなるので、食べる時間が長くなります。

2.箸置きを使う

一口食べるごとに箸を箸置きに置くようにすることで、早食い防止になります。

3.骨がある魚や固い食品など、食べるときにひと手間かかるメニューにする。

次の一口までの時間がかかるため、噛む回数が増えやすいです。

4.お茶などで食べ物を流し込まない

食べ物がまだ柔らかくなっていなくても、お茶などで流し込んでしまうと飲み込めてしまいます。自分の歯で柔らかくなるまで噛み、飲み込めるようにしましょう。

5.ながら食いをしない

スマートフォンを片手に食事をしする「ながら食い」をする方が最近増えています。これだとどうしてもスマホに集中してしまい、噛むことがおろそかになりやすいです。また、食べる際にあごの左右どちらかに偏って噛むと噛み合わせが悪くなり、顎関節症のリスクも高まります。食事を食べるときは「食べること」に集中できるようにしましょう。

6.歯のケアをする

奥歯が虫歯や歯周病で痛みを感じるなど歯のトラブルがあると、しっかりとよく噛むことが難しくなります。定期的に歯科医院で歯のケアをしてもらい、健康な歯を大切にしましょう。

まとめ

早食い防止について、いかがでしたか?私も仕事中など急いでいるときはついつい早食い傾向になってしまうので、そんなときは卑弥呼の時代に思いを馳せて(笑)なるべくよく噛んで食べるようにしています。皆さんも早食いに気を付け、メタボ予防や歯の健康維持に繋げていきましょう!噛むことで食べ物の甘みを感じられ、幸せに食事が出来ますよ。

高尿酸血症について

高尿酸血症はメタボリックシンドロームに合併していることが多く、関連がとても強いです。メタボと同様に患者数も増加傾向にある、高尿酸血症についてお伝えします。

尿酸値の基準値について

尿酸値は尿検査でなく、血液検査で調べます。尿酸とは腎臓から捨てられる老廃物の1つです。ある程度の量は身体に必要な物質ですが、多すぎると痛風をはじめ様々な障害を起こしてしまいます。

【6、7、8のルール】

高尿酸血症の診断には「6、7、8のルール」というものがあります。

  • 尿酸値が6.0mg/dⅬを超えると尿酸が身体にとってマイナスに働いてしまいます。
  • 尿酸値が7.0mg/dⅬを超えると「高尿酸血症」。尿酸が血液中に溶けきれなくなり、関節などに沈着して炎症を起こし、痛風の症状を起こしやすくなります。
  • さらに8.0mg/dⅬを超えると痛風が起こりやすく、さらに腎臓にも悪影響を及ぼしやすい状態になります。8.0mg/dⅬ以上で、腎障害、高血圧、糖尿病などの合併症を伴う場合は薬物治療の対象となり、9.0mg/dⅬ以上になると合併症の有無にかかわらず薬物治療の対象となります。

なぜ患者数が増えているのか

高尿酸血症は戦後の食生活の変化に伴い急速に増加しています。高尿酸血症の方は推定900万人、痛風患者は90万人に達していると言われています。

尿酸値を増加させる原因は、カロリーやプリン体、アルコール、糖質の過剰摂取です。このような食生活を送っていると、メタボリックシンドロームに併発して高尿酸血症も起こしやすくなってしまいます。ですから、メタボ患者数が増加しているのと同様に、高尿酸血症の罹患者も増加傾向にあるのです。

高尿酸血症のリスク

痛風

尿酸値が高いと痛風のリスクを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。「風が吹いても痛い」ほどの痛みというのが語源の痛風。

血液中に尿酸が高くなると、溶けきれなくなり結晶化します。この固まりを尿酸塩結晶といいます。この血漿が関節内ではがれ、それを白血球が処理する際に炎症が起きて腫れ上がるのが痛風発作です。手足の関節に溜まりやすく、特に足の親指に起こる場合が多いです。症状は夜中や早朝に起こることが多いです。

実際に痛風発作を起こした方に聞くと、「激痛で歩けなかった」などと辛かった経験を聞きます。しかし不思議なことに何度か起こしていると慣れてくるようで、「痛くなりそうなときが分かるので早めに痛み止めを飲んで対処する」などと重く受け止めなくなってくる方もいます。しかし高尿酸血症は痛風発作に限らず、身体に様々な障害を起こす可能性がありますので注意していただきたいです。

尿酸値が高いと必ず痛風が起こるとは限りませんが、7.0mg/dⅬ以上の高尿酸血症の方はいつ尿酸塩結晶がはがれて発作が起こってもおかしくない状態です。いったんできた尿酸塩結晶は、尿酸値が6.0mg/dⅬ以下にならないと溶けてくれないので、1度痛風を起こしたは方尿酸値をしっかりとと下げないと再度発作が起こる可能性があります。

痛風腎

高尿酸血症が持続すると、腎臓に尿酸塩結晶が沈着して腎臓の働きが悪くなる「痛風腎」と呼ばれる状態になることがあります。腎機能が低下することで、ひどくなると透析が必要な状態になることもあるので注意が必要です。

動脈硬化

高尿酸血症になると血管の内皮細胞が炎症を起こし、血管障害が進み、その結果動脈硬化が進んでしまいます。

痛風発作の有無にかかわらず、尿酸値が6.0mg/dⅬを超えないように注意することが大切だね。

高尿酸血症を予防するために

プリン体の多い食事を控える

プリン体を含む食品を食べると、それを材料にして肝臓で尿酸が合成されます。レバーやモツ、干物などに多く含まれます。高尿酸血症の人はプリン体の1日の摂取量を400mg程度に抑えるよう推奨されています。以下のようなプリン体の多い食品に注意しましょう。

【プリン体の多い食品】(100gあたり)

鶏レバー312.2mg
まいわし(干物)305.7mg
いわき白子305.5mg
たら白子559.8mg
アンコウ肝 酒蒸し399.2mg
太刀魚385.4mg

激しい筋トレを控える

尿酸は、古くなった細胞を分解する新陳代謝の過程で細胞の中に含まれるプリン体を材料にして作られます。筋肉痛が起こるくらいの激しい筋トレをすると、筋肉の細胞が壊れ、尿酸が増えます。高尿酸血症の方は激しい筋トレは控え、有酸素運動中心に運動をしていくとよいですね。

十分な水分摂取

水分摂取量が不足すると、尿量が減り尿酸を捨てられません。尿酸値が高い方は1日1.5~2ℓの水分を飲むようにしてください。

適量飲酒

ビールに含まれるプリン体もそうですが、アルコール自体に尿酸値を上げる作用がありますので、尿酸値が高い方はぜひ適量飲酒を心がけましょう。

メタボ予防

内臓脂肪が蓄積していると、尿酸の前駆物質であるヒポキサンチンがキサンチンに代謝され、さらに尿酸へ変換されやすくなることが明らかになっています。また、メタボで高インスリン血症の状態になると、腎臓でいったん捨てたはずの尿酸の再吸収が進み、結果尿酸の排出を抑えてしまうのです。メタボにならないような生活をする、ということが尿酸血症を予防する大前提となります。適度な運動、食べ過ぎ防止など、メタボ予防のポイントもしっかりと抑え、メタボからも高尿酸血症からも一緒に卒業出来るとよいですね!

まとめ

高尿酸血症について、いかがでしたか?対策としてはメタボ対策とほとんど同様なのですが、高尿酸血症がある方は、激しい筋トレのし過ぎに気を付けたり、水分摂取量を増やす、プリン体の多い食事に注意するなどと、少し特別な対策も必要ですね。

痛風以外にも痛風腎、血管障害などを起こす可能性もある高尿酸血症。健診結果で注意が必要な方はぜひポイントを押さえて対策をとっていきましょう!

運動する時間がない場合はどうしたらいい?

面談をしているととてもよく聞かれる質問です。お忙しく過ごしている皆さんに運動を勧めてもなかなか首を縦に振ってはくれません(笑)。その背景には、運動のハードルを高く設定している傾向があるようです。昔の漫画の根性論的な運動、水も飲めずにひたすらトレーニングをこなした部活の思い出などなどが原因かもしれません。そんな方は、運動のハードルをぐんと下げてみましょう。

厚生労働省は、「息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2~3日実施すること」を推奨していますが、これ、まとめて実施しなくても大丈夫です。まずは細切れに1分でも運動を取り入れていくことが大切です。

お勧めの運動を以下でご紹介します。

1.スクワット

スクワットはは効率よく簡単に出来る筋トレで、「最強の運動法」という意見もあるくらい効果のある運動です。ぜひ生活にスクワットと取り入れましょう。

スクワットの意義=大腿四頭筋や大殿筋といった大きな筋肉を鍛えられることです。

人間の一番大きな筋肉は大腿四頭筋です。大腿四頭筋は膝の伸展に関与し、立ち上がったり歩いたりといった動作を支えてくれます。筋力があると動作がスムーズになり、転倒予防や生活の質の向上に繋がります。

さらに、効率よく筋肉を増やせることで代謝がアップし、脂肪を燃やしやすい身体づくりの手助けをしてくれます。

さらに、大腿四頭筋を鍛えることで脚にメリハリが生まれ、O脚やX脚の改善、また、お尻やお腹が引き締まることでかっこいい、美しい身体づくりに繋がります。

【スクワットの実施方法】

1.足を肩幅より広く、つま先を外に向け、膝もつま先と同じ方向にして胸を張った良い姿勢で立ちます

2.息を吸いながら6秒かけて腰を下ろします。

3.息を吐きながら2秒かけて立ち上がります。

1セット10秒ほどで実施できます。6回実施して1分程度。テレビを観ながら、歯磨きをしながらなどながら運動として取り入れてみるのはいかがでしょうか。

2.ドローイン

ドローインとは、呼吸に合わせてお腹を凹ます筋トレのこと。

体幹トレーニングの1つであり、インナーマッスルを効率的に鍛えることができます。インナーマッスルは通常の筋トレでは鍛えづらいので、ドローインでインナーマッスルを鍛えてあげるとよいです。内臓脂肪に刺激を与え、お腹周りを引き締めることにも役立ちます。週に5回、30秒×3セットのドローイングを4週間継続したところ、ウエストが平均2.3cm減少したという結果が報告されています。

また、ドローインでは副交感神経が優位になるので、ストレス解消効果が期待できます。

【ドローインの実施方法(座って実施)】

1.椅子に腰かけ、背筋を伸ばします。

2.ゆっくり息を吐きながらお腹だけを凹ませていきます。

3.息を吐き切り、もうこれ以上お腹が凹まないというところまできたら、その状態をキープし、そこで浅い呼吸を繰り返します。

座ったままの姿勢で手軽に出来るので、仕事中などでも思い出したときに実施できます。

    3.YouTubeでの運動

    最近実施されている方多いですよね。私も室内運動派なので、毎日取り入れています。

    YouTubeでの運動の良いところは、トレーナーさん直伝の運動を自宅で出来ること、室内でも静かに実施できるようなプログラムになっていること、運動の時間を選べることだと思います。

    とてもたくさんのプログラムがありますので、自分の好きなチャンネルを選んで、ぜひ生活に取り入れてみてください。

    まとめ

    運動についていかがでしたか?それなら出来るかもと思っていただけたら嬉しいです。

    ちなみに、食後30分から60分の間は脂肪燃焼のゴールデンタイムです。この時間に運動を取り入れられると、食事で上がった血糖値を効率よくエネルギーとして使うことができ、内臓脂肪への蓄積を抑えられます。

    ぜひ、ご自分に合った運動を少しずつでもとりいれていってくださいね!きっと身体にも心にもよい効果を感じられるはずです。応援しています!

    ふくらはぎを鍛える

    「第二の心臓」と言われるほどど身体の中で重要な場所であるふくらはぎ。メタボ予防のためにもふくらはぎを鍛えることはとても大切です。

    ふくらはぎを鍛える意義

    血圧を下げる

    ふくらはぎは、心臓から足先に向かって運ばれてきた血液を筋肉を使ってポンプのように押し戻す働きをしてくれています。二足歩行で歩く動物は人間だけ。地球に重力に逆らって血液を戻さなければいけないので、ポンプ作用を持つふくらはぎはとても大事な役割を担っていますよね。血流やリンパ液が溜まりやすいのも納得です。ふくらはぎの筋肉が衰えてしまうと心臓に戻す血液の量が減ってしまい、全身の血行が悪くなってしまいます。

    ふくらはぎをケアすることで血流が改善し、高血圧の予防特に下の血圧(拡張期血圧)を下げてくれる効果があります。

    足や顔のむくみ改善

    ふくらはぎの筋力低下や冷えは血流ばかりでなく、リンパの巡りも停滞させてしまいます。そうすると、リンパが全身に溜まってしまいむくみの原因に。顔のむくみにも関係し、美容対策としてもふくらはぎのケアは大切ですね。むくみを予防し、美しさを得るためにもふくらはぎを鍛えましょう!

    ふくらはぎの鍛え方

    弾性ストッキング

    弾性ストッキングを穿くと、効果的にふくらはぎに「ギューッ」と圧をかけてくれるので、血液やリンパの滞りを改善させてくれます。私も寝ているとき以外弾性ストッキングをはいています。きつく出来ているので穿くのは少々大変ですが、適切に圧をかけてくれるので気持ちがいいですし、むくみやめまいなどの症状を改善してくれるとてもお勧めなアイテムです。男性用の着圧サポーターも売っています。ご自分のサイズに合ったものを持っておくといいですね。

    マッサージ

    血流やリンパケアのため、足首から膝にかけて使ってマッサージしましょう。手のひらを使ってギューッと押し上げたり、下から上にもみもみしたりを左右5回ずつ程度実施してみると気持ちよくふくらはぎのケアができますよ。

    足首回し

    椅子に座り、片足をもう一方の膝の上に置き、足を外側に回したり内側に回したりをそれぞれ20回回してみましょう。足首を回すことで末端の血流が改善し、むくみもとれます。骨盤のゆがみも少しずつ整っていくそうです。

    また、足をグーパーグーパー動かすこともとても効果的ですよ。エコノミークラス症候群の予防にもなるくらい、血流改善になるそうです。

    貧乏ゆすり

    貧乏ゆすりは「健康ゆすり」と言われるほど、健康に貢献してくれるものです。意識してゆさゆさしてみましょう。貧乏ゆすりをすると、ふくらはぎのポンプ作用が活発になります。その結果血液を押し上げることができ、全身の血行が良くなります。実際に、貧乏ゆすり5分間を続けることで下肢の温度が上がったという実験結果も報告されています。

    一定のリズムでの動きを繰り返すと、「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質、セロトニンの分泌を促進させてくれます。これにより精神を安定させたり、リラックス効果をもたらすといった効果が期待できます。

    イライラしたり不安を感じたりするときに貧乏ゆすりをしてしまうのは、体が無意識に心のバランスを取ろうとしているのかもしれません。貧乏ゆすりは身体の健康も心の健康もサポートしてくれるのです。

    まとめ

    「ふくらはぎを鍛える」について、いかがでしたか?ふくらはぎを効果的に鍛えると、全身の血流が良くなったり、むくみがとれて美容に貢献してくれたり、血圧の改善、精神面の安定など様々な効果が期待できます。

    ぜひ「第二の心臓」ふくらはぎを意識し、適切に鍛えてくださいね!きっと身体の調子が改善していきますよ。